2019 センター試験 数学Ⅰ・A 感想と解法速報

 明けましておめでとうございます。センター試験は来年までになりそうですが、19日・20日に無事行われたようです。今年は数学Ⅰ・AもⅡ・Bも必答問題はそんなに難しくはないようで、平均点も60点前後になる予想です。とりあえず今年も感想を書いていきたいと思います。

数学Ⅰ・A
 今年も第1問は3問構成でした。[1]は数と式で、絶対値の方程式問題でした。受験生の定番問題でしょう。まず因数分解し、√の中の2乗は絶対値になるという法則より、2つの絶対値になります。2つの絶対値の場合分けですが、今年は自分でする必要がありません。3通り書いてくれています。それぞれ3通りの場合でAを計算します。A=2a+13となるaを聞いているので、3通り方程式を解き前提条件を満たしている2つのaを求めてください。やや面倒ではありますが、教科書レベルの問題といってもいいでしょう。

 [2]は命題でした。(1)はpの否定を答えさせる問題。「ともに奇数」の否定は「どちらかが偶数」(ド・モルガンの法則)なので、mが奇数ならnは偶数。mが偶数ならばnは何でもいいとなります。あまりこういうのを聞く問題は今までにはなかったかもしれませんが、mが奇数から聞いているので戸惑うことは少ないでしょう。(2)は必要十分条件の問題。こちらは定番です。qの3mnが奇数とは、mとnともに奇数のことなので、pと同じなので必要十分条件。rのm+5nが偶数とは(m,n)=(偶数,偶数)か(奇数,奇数)なのでpならばrは成り立つという関係ですが、rが成り立ってもpは必ずしも成り立ちません。十分条件。pの否定は先の通り3通りなので、rは成り立ちませんし、rが成り立ってもpの否定にはなりません。どちらでもないが正解です。

 [3]は2次関数でした。3文字入ってくるので平方完成がやや複雑ですが、内容自体は簡単です。(1)平方完成して、空欄に当てはまる形に変形してください。(2)、(-1,6)を通るときなのでx=-1,y=6を代入します。するとbがaの2次関数になります。平方完成といってもたぶんそのまま因数分解できるとわかると思いますが、変形して最大値を求めてください。a=1,b=5のときy=x^2をどれだけ平行移動したですが、頂点を求めればそのまま答えです。

 第2問[1]は三角比でした。割と簡単な問題ですが、正しく図をかけるかが重要です。はじめはcosAを聞いているので余弦定理です。cosAの値が負なので、Aは鈍角です。sinAは三角比の相互関係より求めてください。(2)、珍しく垂直二等分線の問題です。Aは鈍角より、正しく図を書いてください。点DはACに対して点Bと逆の位置にできます。cos∠CADは、先程の∠BACの外角になるので、180°-θの公式よりマイナスが取れます。これが1/4ということは、ACの中点をMとすると、AM:AD=1:4となり、ちょうどAM=1なので、AD=4です。最後、△DBCの面積ですが、△ABC+△DACとすればsinAも求まっているので面積公式より分かります。

 [2]はデータの分析でした。暦を通し日で計算したデータだそうです。(1)はヒストグラム(棒グラフ)の正しいのを選ぶ問題。箱ひげ図より2013年のみ70台前半や130台後半があるので③、2017年は120台前半が最大値の④となります。この内容は新課程では中学に移行されるので、新課程でこのレベルが出題されることはないでしょう。(2)、正しくないのは④、モンシロチョウの四分位範囲は20日位あるので間違い。あと⑦、同一地点での初見日の差が15以下だとすると破線内に点がすべて収まっていないといけないが、最低2つははみ出ている。よって間違いです。(3)、Xのデータを平均引いて標準偏差で割る問題です。平均を引けばそのデータの平均は0です。平均が0ならX'の平均も0です。標準偏差は元のデータと、ただ平均引いただけのデータでは変わらないので、標準偏差で割れば標準偏差は1になります。最後、変換したデータの散布図ですが、①と③は論外。図4が180°回転するわけありません。(Mの方が図3より標準偏差が大きいはずなので図4を少し横に圧縮したものと想像できますが、この知識は不要です)。さて標準偏差1に着目してください。M'もT'も偏差が平均して1あるという意味です。⓪のように全部1~-1だと標準偏差は0.5くらいになってしまいます。当然2~-2くらいないと標準偏差が1にはなりません。なので②が答えです。たぶん1~-1の相関係数と混乱させようとした問題なのでしょう。しっかり意味が分かって計算練習していれば解けた問題だと思います。

 以下、第3問から第5問は数学Aの選択問題です。各自2問選択してください。

 第3問は確率の問題で、理系受験生なら数Bや数Ⅲなどでもたぶんなじみがある確率漸化式のような問題です。こういった出題はセンター試験では珍しいかもしれません。ただ、もちろん高1でも解ける問題にはなっています。(1)、赤い袋から赤玉を取り出す確率は、2/3×2/3=4/9。白い袋から赤玉を取り出す確率は、1/3×1/2=1/6です。(2)は結局1回目で白玉を取り出す確率なので、(1)の合計以外なので、1-(4/9+1/6)=7/18です。(3)、1回目白玉を取り出す確率をpとすると、2回目白玉を取り出す確率は(1-p)×1/3+p×1/2を展開してください。(2)よりp=7/18なので、代入計算すると43/108となります。同様にpに43/108を代入すると3回目白玉を取り出す確率が259/648となります。(4)、2回目白玉を取り出した時、袋の色が白である条件つき確率は、43/108のうち、7/18×1/2です。最後、3回目白玉を取り出した時、赤赤白だった確率は、259/648のうち、赤赤白の確率を計算してください。最初の袋の色は関係ないことに注意すると、11/18×2/3×1/3になり、88/259となります。確率漸化式は難しいため理系でも苦手な人が多く、特にこの問題は袋の色と玉が絡み合うのでかなり混乱した受験生が多かったと思われます。

 第4問は整数です。全体的なストーリーは分かるのですが、何かいまいちな問題だと思います。とりあえず、(1)(2)の答えが見つけにくいです。(1)、49x-23y=1の解を、x=1,2,3…を代入することで見つけないといけません。結果x=8でやっと成立します。(2)、49x-23y=±1の解をまた見つけないといけません。x=8です。次に49x-23y=±2の解を見つけます。x=7、y=15です。とにかく面倒です。(4)のフリなので大事な作業ではありますが…。(3)、 連続3整数a,a+1,a+2に関する基本問題。aとa+2は差が2なので、最大公約数は1か2(互除法の考え方より)です。またa(a+1)(a+2)は6の倍数です。(4)、6762を素因数分解します。2,3,7^2,23で構成されています。(3)より連続3整数は6の倍数なので、b,b+1,b+2のいずれかが49の倍数、23の倍数でないといけません。b+2=23×15とすろと、(2)よりb=23×15-2=49×7となり条件をすべて満たし、b=343と分かります。ここで(2)の実験が生きてきて、あの苦労が回収されるのですが、受験生にとっては最後まで到達しなくても1点でも多く稼ぎたいわけで、そういう意味ではあまり良問とは言えないでしょう。

 第5問は図形ですが、一昔前の数Ⅰ三角比と数A平面幾何の融合問題みたいな出題です。そのくらい三角比が中心です。いきなりcosって…。内接円の半径は数Ⅰの面積公式を使って求めてください。S=1/2r(a+b+c)より求められます。ADの長さはxとおくと接線の長さの性質より、BC=(4-x)+(5-x)=7となって1と分かります。DEの長さは余弦定理より求められます。右頁、BQ/CQはチェバの定理より求められ、BQ=3と分かり、Qが接点だったとわかります(なお、三角形の頂点と内接円の接点を結んだ線の交点は1点で交わります。これを刈屋の定理といい、点Pをジェルゴンヌ点といいます)。それが分かればIQは内接円の半径のことなので1問目の答えと一致します。最後気づきにくいですが、cos∠DFEを求めるのですが、途中でDEを求めているので怪しいと思ってください。△ABCの内接円は、△DEFの外接円でもあります。よって正弦定理よりsinが分かり、明らかに鋭角なので相互関係よりcos∠DFEが分かります。最後sinにしてくれれば気づきやすいのに…。例年みたいな初等幾何ではないので、三角比が得意なら点を稼ぎやすい問題でした。

 ということで、今年数Aは第3問・第4問がきついので数A40点稼ぐのはきついかもしれません。ただ、今年は数Ⅰが簡単なので、そこで時間を稼げたかが勝負の分かれ目かもしれません。

数学Ⅰ専用問題

 今年も数学Ⅰ・Aと違うところを書いていきます。

 第1問[1]数と式は途中に追加問題(1)(2)があります。(1)、1/2√2の時とあります。場合分けした後なので、どの場合かを判別すればいいのですが、結局2√2と3どっちが大きいか分かればいい訳です。2乗すれば8と9なので3の方が大きいですし、√2≒1.4と分かればそれでもかまいません。よって1番上の場合と分かり、4a+1に代入して分母の有理化してください。(2)、真ん中の場合の値域を聞いています。-2a+3は1次関数なので、定義域の端だけ代入すればいいです。何か最近中学知識の1次関数の値域も良く出題されますね。これ以外は数学Ⅰ・Aと共通です。なお、[2]の命題は完全に共通です。

 第2問2次関数は数学Ⅰ・A第1問[3]と一部共通で、途中に追加問題(2)(3)があります。(2)、グラフがx軸と共有点をもつ時ですが、Dを使ってもいいのですが、(1)で頂点のy座標を整理して求めているので、これを使った方が良いでしょう。このy座標が0以下になればよいです。bの2次不等式を解の公式を使って解いてください。また、b>0なので、解が1通りになります。(3)、x軸と接し、a=√3の時の問題です。これは(2)で今解の公式を使って2次不等式を解きました。これを2次方程式とするのが賢明です。(2)の答えを=に直し、a=√3を代入するとbの値が分かります。x軸との接点のx座標は、(1)のx座標b/2-aに代入すると2と分かり、y=(x-2)^2と分かります。0~√3においてはxが0の時最大値4、xが√3の時最小値です。代入して乗法公式を展開すると最小値が7-4√3となります。下手に判別式Dをやったりまた改めて計算しようとすると、計算が煩雑になり混乱します。うまく前問の答えを利用してください。なお、(4)は(2)(3)の答えは活かせないのであしからず。

 第3問は三角比ですが、かなり中学幾何的な内容を含みます。数学Ⅰ・Aの第2問[1]とは全く異なる新作の問題ですが、垂線が絡むのは似ています。また第5問の平面幾何のように円が絡みます。そういう意味ではバランスが取れているのかも?まず2辺と1角が与えられています。cosBが出てくるので、bで始まる余弦定理を使ってください。bの2次方程式を解くとb=1,3と分かります。以下b=3の場合を考える問題ですが、b=3だと鋭角三角形です。そこに気を付けて図を書いてください。(1)は中学幾何です。BD=xとおいて、CDの長さを三平方の定理(△BCDと△ACD)で2通り表して方程式を解いてください。BDの長さが出ます。次は円周角の定理より、∠AEC=∠ADC=90°なので、また同様に三平方の定理(△BAEと△CAE)を使えばBEの長さが出ます。他のやり方もあるかもしれません。(2)、BOは△ABCの外接円の半径なので、正弦定理でBO=√5/2sinBより求まります。△BDEと△BCAが2辺の比と夾角が等しいので相似です。∠BCA=∠BDEとなり、相似比は1:√2(BE:BAなど)なので、DE=AC/√2で出ます。円周角の定理より、∠ACP=∠ABPで、∠BCPはBOが半径なので円周角の定理より90°です。相似より∠BCA=∠BDEで、先程の∠ACP=∠ABPと足すと、∠BDE+∠ABP=∠BCA+∠ACP=90°、△BDEの三角形の内角の和より、∠BQD=90°となります。最後、△BOD+△BOEですが、両方の三角形の底辺をBOと見ます。先の直角より高さがDQとEQになるので、この2つの三角形の面積の和は、1/2×BO×(DQ+EQ)=1/2×BO×DEとなり、求めた答えを代入すれば面積の和が出ます。中学幾何をかなり使い、垂線と2つの円が絡むので、全問正解するのは数学Ⅰの受験層を考えてもかなり難しかったのではないでしょうか。とはいえ、数学Ⅰの三角比だと使えるのは三角比と中学幾何くらいなので配点30点だとこういう構成になるのは仕方ないのかもしれません。

 第4問データの分析は(2)と(5)が追加されています。(2)は折れ線グラフが追加されただけです。正解は④です。⓪は四分位範囲と勘違いしないでください。範囲は最大値と最小値の差なので60日近くあります。①、差は2013年が60日超えているので間違い。②は2016、2017年が第1四分位数超えているので間違い。③も2016、2017年が中央値超えているので間違いです。④は北海道のデータはすべて第3四分位数を超えているので正しいです。たぶん言葉の意味を理解しているかという出題でしょう。(5)、相関係数を計算させる問題。今年も標準偏差と共分散が表に書いてあるので、87.9/(12.4×9.78)をただ計算すれば良いです。2年連続でこの計算が出ました。ただ公式を知っているかというだけで実に簡単な問題ですが、平均など使わないデータに惑わされないでください。(4)が重すぎるので、簡単にしたのかもしれません。

 数学Ⅰは第3問以外が割と簡単な年なので、平均点も例年より高いようですが、配点30点と一番大きい三角比が、中学知識をかなり使うので、中学の図形の扱いを覚えていたかにかかわってきます。そういう意味でも、安易に数学Ⅰを受験することは気をつけたほうがいいと付け加えておきます。ただ、今年は数学Aは難しかったんですけど。

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この記事へのコメント

arisuteru
2019年01月21日 23:14
お元気そうで何よりです!

今年もよい一年となりますようにo(^-^)o
2019年01月22日 11:15
arisuteruさん、コメントありがとうございました。

あまり体調は良くないのですが、何とか生きています。今年もこのブログは例年通りやっていく予定です。どうぞよろしくお願いいたします。

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